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最期の瞬間まで…

[2020.05.08]

また

ひとつのいのちが

この世を去った


最期まで

まどろみの中に

自分を置きながら

それでも

訪問する看護師に

「ありがとう」と

感謝の言葉


「帰る!」

「帰りたい…」

 

薄らぐ意識の中で

何度もそう口にされた

彼女の家はここなのに

 

帰る場所を求めた一人の女性

 


「お母さん!8時ごろ私のところに来てくれたね」

遠方から駆けつけ

優しく母親に触れる

娘さま

確認した呼吸停止時刻は9時


彼女が求めた「帰る場所」

それは

これからを生きていく

娘さんの胎内

だったのかも知れない

 


呼吸を止め 鼓動を止めた

彼女の身体は

とても温かい

全身から放つエネルギー

その温もりに触れ

彼女の魂は

子供たちへ受け渡された

 

 

最期の旅立の準備

大切な方を亡くされた

ご親族の心の悼みに寄り添い

彼女が生きた時間を忍ぶ

大切な儀式

 

だからこそ

あたりまえであっては

いけない

 

最期の瞬間まで

やさしくやさしく

寄り添いたい

 

看護師・看取り士 本井 万寿美

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